もりもと税理士事務所の森本友治です。
相続対策や事業承継対策には、たくさんの「手段」があります。
おおまかに分けると4つ
①争族対策
②納税資金対策
③節税対策
④財産管理対策
これらを解決する手段として、
例として以下の手段(または商品)が挙げられます。
①争族対策・・・遺言、家族信託、贈与、保険
②納税資金対策・・・保険、資産売却
③節税対策・・・不動産活用、生前贈与、
④財産管理・・・任意後見、成年後見、家族信託
現場で散見される対策の多くは、
この手段(商品)から入っている、
ということです。
・生前贈与を進めた方が節税になりますよ
・保険で節税・資産運用を進めましょう
・もめないために遺言を作りましょう
・アパート建築すればあなたの相続税が○○円安くなりますよ
確かに、一定の効果はあるでしょう。
でも、それって本当にあなたの望んだ結果に
結びついていますか?
売る側が既にゴール(売る商品)を決めていませんか?
・生前贈与をしたことで兄弟間の疑心暗鬼が広がった
・いろんな保険に加入していたら、分配が極端に不平等になっていた
・遺言を作ったが、相続税まで考えていなかった
・アパートで借金したら、子供側は迷惑した
これらは実際に現場で起きていることばかりです。
これでは、あなたと家族が満足できる
相続・事業承継対策は進みません。
では、どう進めるべきなのか?
まずは、あなたの①ゴールを決めることです。
そして、そのゴールについて
②相続全体の課題と方向性を共有できる専門家に相談し、
そして、次にそのゴールに向かうために
③家族と方向性を共有し、
最後に、④手段の実行
です。
ゴールとは例えば以下ようなことだと思います。
・これからの家族関係のありかた
・会社、不動産などの引き継ぎの方向性・その理由
・自分の老後はこうありたい
・自分の相続後はこうなってほしい
・これはどうしても回避したい
これらをまずは自分自身が固めておかなければなりません。
今、固めていなくても話を進めていく中で
自分自身の方針が固まっていきます。
そうしていかないと、
あなたの相続の際に、
あなたの望む形になりようがありません。
先日、事業承継を一緒に進めている、
とある社長様と話していた時、
「自分や妻の考え方、そして、その考えに基づく分割の方針を決め、
家族に伝えていったことで、その後の対策がとても進めやすいと感じた」
「あとは、その方針に沿う形で、「節税」だけに注力できる」
と、仰っていました。
遺産相続で一番大変なのは「争続」
その懸念があるから節税も思い切ってやりきれない。
でも、その懸念を事前に取り除けば
様々な対策がより効果的に進めやすくなる。
何となくやってしまった対策が家族の幸せやゴールを歪めないように
まずは「相続の全体像=相続設計」することが第一。
節税はその後しっかり進めればいい。
これらの順番で対策を進めていけば
多少時間がかかっても
あなたが求めるゴールに近づける可能性が強まります。
相続対策には「順番」がある!
是非押さえておきましょう。